発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016187536
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57歳男。左側顎下部の疼痛・腫脹、開口障害、胸痛を主訴に当科を受診した。胸部・頭頸部CT所見より、歯性感染症が原因で生じた敗血症性肺塞栓症(SPE)と診断した。歯科治療目的で他院歯科口腔外科に紹介依頼したところ、左下顎根尖性歯周囲炎と診断され、第1、2臼歯の抜歯予定となった。当科では抗菌薬による治療を開始したが、HRCTでSPEによる多発性肺結節影の増加が確認された。抗菌薬をcefozopranの点滴に加え、garenoxacinの内服を追加したところ、受診後11日目にはCRPの低下を認め、左側顎部の疼痛・腫脹・開口障害、胸痛も漸次軽減したためcefozopranの点滴を終了した。受診後16日目のHRCTで多発肺結節は縮小が得られ、受診後23日に歯科口腔外科で抜歯が行われた。garenoxacinは抜歯後1週まで内服し、以後、順調に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2016