症例
眼瞼腫脹から診断に至ったIgG4関連疾患の1例
斎藤 小弓
1
,
伊藤 美佳子
,
小林 桂子
,
杉崎 康太
1水戸赤十字病院 皮膚科
キーワード:
IgG
,
Prednisolone
,
顎下腺疾患
,
眼瞼疾患
,
高ガンマグロブリン血症
,
耳下腺疾患
,
経口投与
,
免疫組織化学
,
涙器疾患
,
腫脹
Keyword:
Administration, Oral
,
Eyelid Diseases
,
Hypergammaglobulinemia
,
Immunohistochemistry
,
Immunoglobulin G
,
Lacrimal Apparatus Diseases
,
Parotid Diseases
,
Prednisolone
,
Submandibular Gland Diseases
pp.1439-1442
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373721
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67歳男。上眼瞼腫脹を主訴とした。1週間前より両上眼瞼が腫脹し、初診時には両側の涙腺、耳下腺、顎下腺の腫脹を認め、超音波検査では膵臓の腫大と膵管の不整がみられた。臨床検査所見では高IgG4血症、膵酵素の上昇、血清補体値・補体価の低下を呈し、涙腺の病理組織学的所見では涙腺組織の線維化・萎縮、リンパ球や形質細胞を主体とする炎症細胞の浸潤を認めた。また、浸潤していた形質細胞は80%以上がIgG陽性で、IgG4/IgG陽性細胞比90%、IgG4陽性細胞90個/HPFであり、IgG4関連疾患と診断してプレドニゾロン40mg/日内服を開始したところ、涙腺、耳下腺、顎下腺の腫大は消失し、血清IgG4値の低下および膵酵素と血清補体値・補体価の正常化が得られた。
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