特集 脳神経・頭頸部の画像診断update
症例
線維素性唾液管炎(Kussmaul病)のMRI所見
藤井 奈々
1
,
藤田 晃史
,
藤井 裕之
,
小林 遼真
,
小川 一成
,
神部 芳則
,
杉本 英治
1自治医科大学 放射線医学講座
キーワード:
Dexamethasone
,
Histamine Antagonists
,
Prednisolone
,
顎下腺疾患
,
耳下腺疾患
,
MRI
,
唾液腺炎
,
唾液管
Keyword:
Dexamethasone
,
Histamine Antagonists
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Parotid Diseases
,
Prednisolone
,
Submandibular Gland Diseases
,
Sialadenitis
,
Salivary Ducts
pp.1703-1707
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017096486
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
線維素性唾液管炎(Kussmaul病)の3例を経験とした。症例1は66歳女性で、両側耳下腺の腫脹、疼痛を主訴に受診した。MRIでは、両側耳下腺内から口腔の開口部にかけて、び漫性に導管の数珠状拡張を認めた。造影後は耳下腺管に沿った造影効果を認め、唾液管炎が示唆された。線維素性唾液管炎と診断し、プレドニゾロンを開始した。現在は無治療で経過観察となっている。症例2は67歳男性で、耳下腺及び顎下腺の腫脹で受診した。顎下腺開口部から白色の粘液の流出を認めた。MRIでは、右耳下腺に拡張した導管を認め、造影後は導管壁に沿った増強効果を認めた。左耳下腺と両側顎下腺の導管にも同様の所見を認めた。線維素性唾液管炎と診断した。唾液腺の腫脹、自然消退を反復しているが、現在は無治療で経過観察中である。症例3は64歳女性で、10年前より繰り返す左顎下部の腫脹を認めた。MRIでは、左顎下腺の軽度腫脹、左顎下腺導管の拡張を認めた。線維素性唾液管炎と診断した。顎下腺開口部へのデキサメタゾン局注を繰り返し、線維素塊の排出を促した。プレドニゾロンの内服を開始し、経過観察中である。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.