症例
Congenital Self-healing Reticulohistiocytosisの1例
澤田 利恵
1
,
山地 恵
,
田尻 真貴子
,
三宅 大我
,
安藤 昭和
1飯塚病院 皮膚科
キーワード:
自然寛解
,
皮膚疾患-顔面
,
免疫組織化学
,
細網内皮症
Keyword:
Facial Dermatoses
,
Immunohistochemistry
,
Remission, Spontaneous
pp.1302-1304
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355257
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3ヵ月女児。生後まもなく左前頭部の隆起を母親が発見した。生後2ヵ月に左眉毛部に紅色皮疹が出現し、徐々にドーム状に隆起した。左眉毛部に9×5mm大の硬く表面平滑な紅色結節を認め、左前額部に僅かに隆起を触れた。結節の皮膚生検で真皮全層に密な細胞浸潤を認め、浸潤している細胞は細胞質が豊富で核に切れ込みをもつ組織球様細胞から成っていた。免疫組織学的に組織球様浸潤細胞はCD1a陽性、S-100蛋白陽性であり、Lngerhans細胞由来と考えられた。X線で左前頭部の骨縫合に重なって打ち抜き像が認められた。生検後、左眉毛部の結節は徐々に縮小傾向となり、約1ヵ月後に僅かに瘢痕を残して消退した。その後、2年間の経過観察で皮疹の再燃はなく、左前頭部の隆起も平坦化し、同部位の骨打ち抜き像も縮小傾向にあった。以上より、congenital self-healing reticulohistiocytosisと診断した。
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