症例
両側小指基部尺側に認めた痕跡的多指症の1例
本田 治樹
1
,
江上 将平
,
野村 尚志
,
笠井 弘子
,
横山 知明
,
杉浦 丹
1静岡市立清水病院 皮膚科
キーワード:
Alcian Blue
,
S100 Proteins
,
多指症
Keyword:
S100 Proteins
,
Polydactyly
,
Alcian Blue
pp.1305-1308
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355258
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34歳女。両側小指基部尺側の小結節を主訴とした。出生時より両側小指基部尺側に小結節があり、数日前から右小指基部の小結節に圧痛を伴うようになった。右小指基部尺側に6×7mm大、左小指基部尺側に4.5×3mm大の弾性硬で半球状に隆起する淡紅色小結節が認められた。右小指の小結節の皮膚生検で表皮突起の不規則な延長を伴う表皮肥厚を認め、真皮乳頭下層に神経終末小体と毛細血管の増生が認められた。皮膚付属器や骨・軟骨組織はみられなかった。真皮中層から深層にかけて様々な断面を示す神経線維束を多数認め、神経線維束はS-100染色で陽性を示し、周囲の間質はalcian-blue染色で陽性を示した。左小指の小結節の皮膚生検も同様の所見であった。以上より、両側性の痕跡的多指症と診断した。
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