特集 顔の腫瘍(悪性腫瘍)
臨床例
右頬部に生じた無色素性斑状強皮症型基底細胞癌
原 みずき
1
,
川瀬 正昭
,
江藤 隆史
,
利根川 守
,
伊東 慶悟
1東京逓信病院 皮膚科
キーワード:
顔面腫瘍
,
基底細胞腫
,
強皮症-限局性
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚腫瘍
,
頬
,
皮膚鏡検査
,
皮膚外科
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Cheek
,
Facial Dermatoses
,
Facial Neoplasms
,
Scleroderma, Localized
,
Skin Neoplasms
,
Dermoscopy
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.937-940
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017342190
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<症例のポイント>基底細胞癌は皮膚悪性腫瘍の中でもっとも遭遇する機会の多い癌である。基底細胞癌の臨床像は多彩であるが、今回われわれは、比較的まれな斑状強皮症型基底細胞癌を経験した。数ヵ月間のステロイド外用治療で改善のない右頬部の紅斑で初診した。ダーモスコピーで観察すると樹枝状血管が目立つ所見であった。日本人の基底細胞癌の臨床像は黒褐色の隆起性病変を呈する結節潰瘍型がほとんどであり、特徴的なダーモスコピー所見が参考になる。しかし、斑状強皮症型基底細胞癌の場合は低ないし無色素性が多い。今回、ダーモスコピーにて樹枝状血管拡張の所見があり、積極的に生検を施行することにより斑状強皮症型基底細胞癌と診断しえた症例であった。
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