Japanese
English
症例報告
異なる背景をもって発症した柑皮症の2例
Two cases of carotenosis with different clinical backgrounds
杉内 利栄子
1
,
赤羽 武弘
2
,
高橋 和宏
3
Rieko SUGIUCHI
1
,
Takehiro AKAHANE
2
,
Kazuhiro TAKAHASHI
3
1石巻市立病院皮膚科
2石巻市立病院消化器科
3東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Ishinomaki Municipal Hospital
2Department of Gastroenterology, Ishinomaki Municipal Hospital
3Division of Dermatology, Department of Internal Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
柑皮症
,
高カロチン血症
,
神経性食思不振症
Keyword:
柑皮症
,
高カロチン血症
,
神経性食思不振症
pp.328-330
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903896
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
症例1は37歳,女性.体重減少と全身皮膚の黄染がみられ,胆嚢癌,直腸癌など悪性腫瘍の精査目的で近医より当院消化器を紹介された.ビリルビンを含め肝機能検査は正常.腹部エコー,CTにて肝・胆道系に異常なし.胃・腸ファイバー所見で粘膜が黄色調を呈しているほかは異常はなかったため,当科を紹介された.菜食主義という自覚はなかったが,カロチン697μg/dlと身長150cm,体重36kgとかなりのやせを認め,神経性食思不振症を考えた.症例2は65歳,女性.肉,油をとり,皮疹が出現したことがあり,近医外科で食物アレルギーを指摘されて,ここ10年食事制限をしていた.最近,皮膚が黄色いと感じ,消化器科受診.一般血液検査に異常はなく,当科を紹介された.カロチン336μg/dl,偏食による柑皮症と診断.栄養指導を実施した.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.