症例
ムチン沈着を伴うFolliculosebaceous Cystic Hamartomaの1例
三浦 俊介
1
,
吉村 順子
,
梅原 嘉一
,
鑑 慎司
,
牧野 寒河江
,
日野 治子
1公立学校共済組合関東中央病院 皮膚科
キーワード:
過誤腫
,
頭皮疾患
,
ムチン沈着症
,
皮膚外科
Keyword:
Hamartoma
,
Scalp Dermatoses
,
Mucinoses
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1287-1290
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355254
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25歳女。頭頂部の結節を主訴とした。2年前に頭頂部の小結節が出現し、拡大傾向にあった。頭頂部に小豆大の淡紅色ドーム状結節が単発していた。弾性硬で、下床との可動性は良好であった。色素性母斑や付属器腫瘍を疑い、局所麻酔下に全摘出した。病理組織学的に表皮はドーム状に隆起し、真皮中層から皮下組織にかけて境界やや不明瞭な結節状病変があり、表皮との連続性はなかった。結節中央部に層状の角化物を入れる毛包漏斗部様嚢腫構造があり、同部位を中心に放射状に脂腺が増殖し、周囲に線維性の結合織が増生していた。脂腺小葉を取り巻く結合織内に脂肪細胞や小血管腔が散見された。病変下部には、間質内の膠原線維と脂肪細胞の増生とともに、alcian-blue染色でムチンの沈着が確認された。毛包周囲にムチン沈着を伴うfolliculosebaceous cystic hamartomaと診断し、切除術を施行した。現在まで再発を認めていない。
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