症例
ビルダグリプチンにより掌蹠に水疱・びらんを生じた1例
影本 善子
1
,
服部 ゆかり
,
宮地 良樹
,
寺島 剛
,
武内 英二
,
真鍋 俊明
1滋賀県立成人病センター 皮膚科
キーワード:
Clobetasol
,
脂質異常症
,
紅斑-多形性
,
鑑別診断
,
水疱
,
多剤併用療法
,
糖尿病
,
経口投与
,
経皮投与
,
膿痂疹
,
薬疹
,
Atorvastatin
,
Glimepiride
,
Vildagliptin
,
びらん
Keyword:
Atorvastatin Calcium
,
Administration, Oral
,
Blister
,
Administration, Cutaneous
,
Clobetasol
,
Diabetes Mellitus
,
Drug Eruptions
,
Drug Therapy, Combination
,
Diagnosis, Differential
,
Erythema Multiforme
,
Impetigo
,
Dyslipidemias
,
Glimepiride
,
Vildagliptin
pp.1267-1269
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355249
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51歳男。掌蹠の紅斑と水疱を主訴とした。糖尿病コントロールのためジペプチジルペプチターゼ4阻害薬であるビルダグリプチンを内服し、約1ヵ月後に手掌・足底に水疱が出現した。手掌・足底に環状に広がる紅斑を認め、びらんを伴っていた。足底の一部は水疱を形成していた。水疱の皮膚生検で表皮真皮接合部に空胞変性、真皮浅層に帯状のリンパ球の浸潤を認め、一部表皮内に浸潤するリンパ球がみられた。クロベタゾールプロピオン酸エステルクリームを外用し、皮疹は軽快傾向を示した。また、薬疹を疑い、かかりつけ医にビルダグリプチンの中止を依頼した。ビルダグリプチンの中止後、新たな水疱形成、紅斑やびらんの拡大はなくなった。また、症状が改善し、その後再発していないため、ビルダグリプチンによる水疱型薬疹と診断した。糖尿病は良好な血糖管理が出来ていたため、ビルダグリプチン中止のまま経過観察されている。
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