臨床研究
下肢蜂窩織炎患者において超音波検査は慢性静脈不全症のスクリーニングとして有用である
中村 香代
1
,
梶原 一亨
,
永元 英子
,
緒方 亜紀
,
牧野 公治
,
岡本 実
,
尹 浩信
1熊本大学 皮膚科・形成再建科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
静脈不全
,
超音波診断
,
皮膚疾患-下肢
,
蜂巣炎
,
後向き研究
Keyword:
C-Reactive Protein
,
Cellulitis
,
Leg Dermatoses
,
Retrospective Studies
,
Venous Insufficiency
,
Ultrasonography
pp.1259-1261
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355248
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下肢蜂窩織炎として入院加療を行った36例中、下肢静脈超音波検査を行った19例を対象に、年齢、性別、BMI、下肢静脈超音波検査における慢性静脈不全症(CVI)の所見、皮膚所見、リンパ浮腫、蜂窩織炎の既往、CRP値をレトロスペクティブに検討した。その結果、平均年齢は67.8歳で、男性8例、女性11例であった。19例中15例(78.9%)に下肢静脈超音波検査でCVIを認めた。その内訳は、弁不全による逆流12例(63.2%)、もやもやエコー2例(10.5%)、器質化した深部静脈血栓症1例(5.2%)であった。蜂窩織炎の既往があった5例中4例(80%)に下肢静脈超音波検査でCVIを認め、他の1例(25%)はリンパ浮腫があった。下肢静脈超音波検査でCVIを認めた15例のうち6例(40.0%)は、視診上静脈環流障害を示唆する皮膚所見がなく、CVIの予測は困難であった。また、7例(46.7%)はBMIが25.0未満で肥満はなかった。
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