特集 代謝異常症・沈着症
水疱形成を伴った斑状アミロイドーシス
中川 千夏
1
,
松浦 大輔
,
内田 真由美
,
藤川 一穂
,
青木 見佳子
,
落合 豊子
1日本大学医学部附属病院 皮膚科
キーワード:
紅斑-結節性
,
水疱
,
待機療法
,
アミロイドーシス-皮膚
Keyword:
Blister
,
Erythema Nodosum
,
Watchful Waiting
pp.1211-1214
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355239
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75歳女。四肢に生じた水疱を主訴とした。10年前から四肢に痒みがあり、前医でステロイド外用剤を処方されたが、1ヵ月前から四肢に水疱を伴うようになった。両側の手関節屈側から前腕、下腿屈側と左足外果に2~15mm大の小水疱と緊満性水疱が孤立性ないし線状に集簇し、一部でその周囲に紅斑を伴っていた。また、両手背、両腋窩、腰から臀部、両膝窩に左右対称性に比較的境界明瞭な淡褐色色素斑が局面を形成していた。水疱部の皮膚生検で表皮真皮境界部と真皮乳頭層から上層に不規則な形状をした多数の裂隙形成を認め、その周囲と膠原線維束間にリンパ球を中心とした炎症性細胞浸潤が見られた。Dylon染色、direct fast scarlet染色はいずれも表皮直下の乳頭層から真皮上層で帯状に陽性であり、裂隙周囲も陽性であった。以上より、水疱形成を伴った斑状アミロイドーシスと診断した。患者が治療を希望せず、経過観察中である。
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