特集 角化症・炎症性角化症
汗孔角化症におけるアミロイド沈着の検討
後藤 麻希
1
,
松浦 大輔
,
内田 真由美
,
原 弘之
,
落合 豊子
1日本大学医学部附属病院 皮膚科
キーワード:
生検
,
汗孔角化症
,
アミロイドーシス-皮膚
,
CK-34 Beta E12
Keyword:
Biopsy
,
Porokeratosis
,
CK-34 Beta E12
pp.1095-1099
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305029
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近年、汗孔角化症の病巣部にアミロイド沈着を伴う症例の報告が多数みられるようになった。そこで今回、当科で過去10年間に汗孔角化症と確定診断した10例についてアミロイド沈着の有無を病理組織学的に検討した。結果、アミロイド沈着は6例(60%)に認められた。この6例の臨床病型は、表在播種型が2例、日光表在播種型2例、Mibelli型2例であり、アミロイド沈着例が特定の病型に多発する傾向はみられなかった。アミロイドの沈着部位は、cornoid lamella直下から環状病巣内側の真皮乳頭層と上層であり、6例とも34βE12染色陽性であったことから、アミロイドはケラチノサイト由来であると考えられた。また、6例の病理組織所見からアミロイド沈着の機序として、cornoid lamella直下の異常角化細胞のアポトーシスに対し何らかの反応が生じてアミロイドが産生され、病巣が遠心性に拡大するにつれて病巣の内側にアミロイドが残存していく可能性が推測された。
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