特集 角化症・炎症性角化症
激しいそう痒を主訴としたEruptive Pruritic Papular Porokeratosisの1例
小川 達也
1
,
田口 詩路麻
,
市川 栄子
,
大塚 藤男
1筑波大学 医学医療系皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
そう痒症
,
経口投与
,
皮膚疾患-下肢
,
汗孔角化症
Keyword:
Administration, Oral
,
Etretinate
,
Leg Dermatoses
,
Pruritus
,
Porokeratosis
pp.1088-1091
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305027
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67歳女。当科受診の2ヵ月前、大腿に強いそう痒感を伴う紅色丘疹が出現した。複数の医療機関で抗アレルギー薬内服やステロイド外用などにより加療されたが改善せず、当科に紹介された。初診時、両側大腿に褐色斑と紅色丘疹が多発・散在しており、一部に糜爛・痂皮付着を認めた。褐色斑部の皮膚生検で表皮内にcornoid lamellaと思われる栓状角質増殖を認めた。紅色丘疹部の生検では、表皮に糜爛を認め、真皮浅層の小血管周囲に炎症性細胞浸潤を認めた。これらの所見から、Eruptive pruritic papular porokeratosisと診断し、治療は初め抗アレルギー薬内服+ステロイド外用+液体窒素療法を行ったが改善せず、エトレチナート内服を行ったところ、皮疹は徐々に退色・平坦化し、そう痒も軽減した。
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