特集 角化症・炎症性角化症
陰茎に生じた汗孔角化症の単発例
直海 明里
1
,
竹中 祐子
,
葉山 愛弥
,
川島 眞
1東京女子医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
陰茎疾患
,
汗孔角化症
,
皮膚外科
Keyword:
Penile Diseases
,
Porokeratosis
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1092-1093
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305028
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51歳男。当科受診の2年前、陰茎に淡紅色結節が出現し、疼痛を伴った。他院でステロイド外用を約1年間施行されたが軽快しないため当科に紹介された。陰茎背側面のやや左側に10×5mm大の境界明瞭な淡紅色扁平結節を認め、病変の中央は白色調を呈し萎縮しており、辺縁は軽度隆起し、鱗屑と角化を伴っていた。血算・生化学検査値に異常はなく、臨床所見から扁平苔癬や円板状エリテマトーデスを疑って全切除術を施行した。切除標本の病理組織所見は、結節の辺縁部に一致して不全角化を伴う柱状の過角化(cornoid lamella)があり、その直下の表皮では顆粒層が消失し、有棘細胞の配列が乱れていた。真皮上層にはリンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を認め、局面の中央部では表皮が不規則に肥厚していた。これらの所見から、陰茎に生じた汗孔角化症の単発例と診断した。
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