症例
上腕骨2-part外科頸開放骨折の1例
浅野 研一
1
,
平岩 秀樹
,
岸本 烈純
,
甲山 篤
,
酒井 忠博
,
平田 仁
1名古屋大学 大学院手の外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
関節可動域
,
抗細菌剤
,
骨折-開放
,
骨折固定法
,
上腕骨骨折
,
デブリードマン
,
包帯
,
補綴関連感染症
,
体内埋込み具の除去
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Bandages
,
Debridement
,
Fractures, Open
,
Fracture Fixation
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Range of Motion, Articular
,
Prosthesis-Related Infections
,
Device Removal
pp.621-623
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016332497
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78歳男性。2mの高さから転落して受傷し、救急搬送となった。初診時、左肩関節の疼痛と腫脹ほか、左肩前面には約3cmの開放創が認められ、遠位骨片が三角筋を貫通して露出していた。単純X線像では2-part外科脛骨折がみられ、骨頭は内反して遠位骨片が前方に転位していた。以上より、本症例は開放骨折の診断で同日緊急手術となった。手術では露出した骨折部周囲組織をデブリドマンして十分に洗浄後、創外固定を使用して、骨折部の整復と固定を行った。後療法としては術後2週間目に三角巾固定を行い、術翌日から他動運動を開始したが、術後2週目にピン刺入部の感染と骨頭内でのピンの緩みが認められたため、創外固定を抜去し、3週間の抗生剤点滴にて感染は鎮静化した。この間、左肩はVelpeau固定を行い、感染の落ち着いた術後6週目から自動・他動可動域訓練を開始した。その結果、単純X線像では骨折部の転位が残り変形治癒となったものの、日常生活において支障はみられなかった。尚、術後1年の最終診断時では疼痛はなく、左肩関節可動域は屈曲135°、外旋60°、JOAスコアは96点であった。
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