特集 最近の人工股関節合併症とその対策
Metal-on-metal人工股関節のARMDに関する文献的考察
名越 智
1
1札幌医科大学 生体工学運動器治療開発講座
キーワード:
X線診断
,
関節疾患
,
股関節
,
再手術
,
MRI
,
発生率
,
重症度指標
,
人工器官機能不全
,
人工股関節
,
股関節置換術
,
体内埋込み具の除去
,
イギリス
,
オランダ
,
フィンランド
,
文献研究
,
メタルオンメタル人工関節
,
偽腫瘍
,
メタローシス
Keyword:
Finland
,
United Kingdom
,
Hip Joint
,
Hip Prosthesis
,
Joint Diseases
,
Netherlands
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Reoperation
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Severity of Illness Index
,
Incidence
,
Device Removal
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Metal-on-Metal Joint Prostheses
,
Literature Based Discovery
pp.9-16
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016180764
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Metal-on-metal(MoM)表面置換術(HR)とMoM stemmed THA(stemmed THA)の組成金属に起因する人工物の不具合(ARMD/ALTR)の発生率について問題点を含めて考察した。対象は2007年10月~2009年7月の間にMoM THAを行った64関節中、MoMの摺動面を交換する再手術を行った19関節(男性4関節、女性15関節、年齢39~84歳、平均年齢69.3歳)であった。その結果、1)ARMD/ALTRの発生率はHRが1.9%、stemmed THAが7.0%とstemmed THAの方が多く発生し問題となっていることが明らかとなった。2)ネックtrunnionでの潜在的な摩耗過程をtrunnionosisと呼ぶが、再置換術ではMoM関節摺動面をmetal-on-polyかceramic-on-polyへ再置換する方法が考えられる。また、trunnionosisがない場合はstemの抜去は不要であるが、trunnionosis所見がある場合でも約半数の文献でstemを温存していた。以上より、人工股関節においてARMD/ALTRを全て排除できるわけではなく、これらの合併症を念頭に置いて経過観察する必要性があると考えられた。
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