手術症例報告
門脈右枝-中結腸静脈バイパスを用いたHLPDの1例
金岡 祐次
1
,
前田 敦行
,
高山 祐一
,
深見 保之
,
尾上 俊介
,
大塚 新平
1大垣市民病院 外科
キーワード:
胃腫瘍
,
鑑別診断
,
腺癌
,
胆管腫瘍
,
門脈
,
肝膵頭十二指腸切除
,
結腸静脈
,
腹部CT
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Bile Duct Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Portal Vein
,
Stomach Neoplasms
pp.1361-1365
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017025634
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症例は65歳男性で、近医で肝機能障害を指摘された。黄疸のため経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)を入院後に施行した。腹部造影CTでは肝十二指腸間膜内に造影される腫瘤と門脈狭窄が著明であり、また肝左葉と膵頭部への浸潤を疑った。外側区域枝より挿入したPTBD造影では総胆管の閉塞を認めたが左右肝管への浸潤は認めなかった。3DCTでは高度の肝動脈、門脈浸潤、側副血行の形成を認め、肝左葉切除、膵頭十二指腸切除、肝十二指腸間膜一括切除を計画した。病理組織所見では腫瘍は中分化管状腺癌で、胆管癌か胃癌の再発かの鑑別は困難であった。肝十二指腸間膜内にリンパ節転移を認めた。第28病日に退院した。退院後4ヵ月の腹部CTで肝動脈門脈グラフト開存を確認したが、この時点で多発肝転移が出現したためS-1内服を開始した。次第に転移巣が増悪し術後11ヵ月で原病死した。
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