必読 最新の肝切除(その2)
門脈・肝動脈再建を伴う肝切除
清水 宏明
1
,
木村 文夫
,
吉留 博之
,
大塚 將之
,
加藤 厚
,
宮崎 勝
1千葉大学 臓器制御外科学
キーワード:
肝切除
,
肝動脈
,
血管外科
,
腫瘍侵入性
,
術前診断
,
胆管腫瘍
,
吻合術
,
門脈
,
Klatskin腫瘍
,
血管腫瘍
,
マルチスライスCT
,
管腔内超音波診断
,
肝十二指腸間膜
,
胆管切除術
,
胆道再建術
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Anastomosis, Surgical
,
Hepatectomy
,
Hepatic Artery
,
Neoplasm Invasiveness
,
Portal Vein
,
Vascular Surgical Procedures
,
Klatskin Tumor
,
Vascular Neoplasms
,
Multidetector Computed Tomography
pp.466-472
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010193449
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進行胆道癌、特に肝門部胆管癌、肝門浸潤した肝内胆管癌では、その解剖学的特性から容易に門脈、右肝動脈に浸潤し、外科切除に困難を要することが多い。しかしながら、近年の手術手技の進歩に伴い脈管の合併切除・再建、特に門脈合併切除を併施した肝切除は安全に施行されるようになり、胆道癌の手術手技としては必須のものとなっている。一方、肝動脈浸潤例における動脈合併切除・再建も、マイクロサージャリーを用いた手技の導入により安全性は明らかに向上しているものの、手術関連死亡を含めた術後合併症、予後の面からみると現時点では一般的な手技とはいいがたい。しかしながら、high volume centerでのさらなる術式の確立と安全性の向上に加え、新規抗癌薬を用いた補助化学療法の併用などにより、局所の脈管浸潤のみが高度であるような症例に対しては意義はあるであろう。今後、症例の蓄積を各high volume centerで行い、遠隔成績を含めた術後成績の報告を注意深くみていく必要があると考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2010