手術症例報告
腹腔鏡下胃内手術後に局所と胃壁ポート部に再発した早期胃癌の1例
水上 陽
1
,
太田 秀一
,
原田 敦
,
安 英男
,
宮内 智之
,
足立 幸人
1大阪府済生会野江病院 消化器外科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
腫瘍再発
,
腺癌
,
腹腔鏡法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Gastrectomy
,
Gastroscopy
,
Laparoscopy
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Stomach Neoplasms
pp.89-94
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016149781
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症例は88歳男性で、倦怠感を主訴とした。内視鏡で食道胃移行部近傍の胃体上部小彎後壁に山田IV型形状のポリープ病変を認め、生検の結果は中分化腺癌であった。CTで転移を認めず、0-I型早期胃癌と診断した。腫瘍の局在部位から内視鏡的切除は困難と判断し、腹腔鏡下胃内手術を施行した。腫瘍はリニアステイプラーを用いて切離した。術後4ヵ月に局所と胃壁ポート部近傍に0-I型の腫瘤を認め、再発を疑った。腹腔鏡下胃全摘術を施行し、病理組織学に局所病変は高分化腺癌が主体であり、初回切除病変の再発と診断した。腫瘍細胞は粘膜内に留まっていたが、その直下の粘膜下層と筋層は連続性が途切れ、線維化が生じており、初回手術の影響と考えられた。一方、胃壁ポート部近傍の病変は直下の筋層に連続性の断絶と線維化がみられ、初回手術時のポート挿入によって生じた創に腫瘍が再発したものと考えられた。再手術後、再発を認めていない。
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