症例
2回の鏡視下子宮手術後に急速に増大した嚢胞性腺筋腫の1例
吉田 愛
1
,
武内 享介
,
白國 あかり
,
濱田 萌
,
武田 晃子
,
杉本 誠
,
辻野 太郎
1国立病院機構神戸医療センター 産科・婦人科
キーワード:
MRI
,
子宮鏡法
,
子宮筋腫
,
子宮腫瘍
,
子宮摘出術
,
子宮内膜
,
超音波診断
,
腹腔鏡法
,
ポリープ
,
腺筋腫
,
子宮筋腫核出術
Keyword:
Endometrium
,
Hysterectomy
,
Leiomyoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laparoscopy
,
Polyps
,
Hysteroscopy
,
Ultrasonography
,
Uterine Neoplasms
,
Adenomyoma
,
Uterine Myomectomy
pp.879-883
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016341324
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症例は37歳未経妊未経産婦、34歳時に多発性子宮筋腫を指摘された。画像診断にて筋層、漿膜に至る多発性子宮筋腫と予宮内膜ポリープを認めた。偽閉経療法を5ヵ月間施行後、腹腔鏡下子宮筋腫切除術を施行した。腹腔内には子宮内膜症病変を認めなかった。組織学的診断は富細胞性平滑筋腫で、悪性所見は存在しなかった。腹腔鏡下子宮筋腫切除後1年2ヵ月の時点でヒステロソノグラフィーにて子宮内膜後壁から発生する直径15mmの子宮内膜ポリープを認め、子宮鏡下経頸管的切除(TCR)を施行した。組織学的診断は子宮内膜ポリープで、子宮内膜症病変は存在しなかった。術後経過は良好であったが、術後3ヵ月目に子宮内膜ポリープ切除部位粘膜下に15mm程度の腫瘤性病変が生じた。術後15ヵ月の時点で腫瘤はさらに6cm程度にまで増大し、嚢胞状部分も拡大傾向を示した。腫瘤切除は行わず腹式単純子宮全摘を施行した。術後病理所見で嚢胞性腺筋腫と診断した。術後経過は良好で、CA125値も速やかに低下した。
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