原著
電動式眼内レンズ挿入において眼内レンズ度数が切開幅へ及ぼす影響の比較検討
大久保 雅俊
1
,
木澤 純也
,
橋浦 哲哉
,
小笠原 聡
,
今泉 利康
,
鳴海 新平
,
黒坂 大次郎
1岩手医科大学 医学部眼科学講座
キーワード:
白内障
,
眼内レンズ
,
眼内レンズ移植
,
手術創
,
速度
Keyword:
Surgical Wound
,
Cataract
,
Lenses, Intraocular
,
Lens Implantation, Intraocular
pp.477-480
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016381547
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電動式眼内レンズ(IOL)挿入が可能となったオートサートについて、IOL度数および挿入速度の違いが切開創に与える影響を調べるため、豚眼を用いてIOL挿入前後の切開幅への影響を比較検討した。豚眼に角膜切開創を作成し、有水晶体眼の前房内にIOLを挿入した。各IOLで挿入速度の速い群(F群)と遅い群(S群)の計20眼を測定し、切開幅の挿入前後の拡大幅を比較した。その結果、IOL挿入前後での切開創幅の拡大幅は20D F群で0.08±0.04mm、S群で0.1±0.07mm、29.5D F群で0.14±0.05mm、S群で0.22±0.04mmを示し、IOL挿入前の創口幅は各群に有意差は認められなかった。また、同じIOL度数での挿入速度の違いによる拡大幅への影響も、20DのF群とS群において有意差は認められなかった。29.5Dの両群の比較では、F群で拡大幅が小さかった。挿入速度を速い設定にしたF群同士では29.5Dと20Dでは有意差はなく、挿入速度を遅い設定にしたS群同士では29.5Dは2Dに比べ、有意に拡大幅が大きかった。
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