臨床報告
眼内レンズ挿入術後3ヵ月で両眼の前嚢切開窓が閉鎖した糖尿病網膜症眼
白井 久美
1
,
石川 伸之
,
雑賀 司珠也
1和歌山県立医科大学 眼科学教室
キーワード:
眼底
,
蛍光眼底撮影法
,
術後合併症
,
視覚障害
,
糖尿病性網膜症
,
白内障
,
超音波乳化吸引術
,
眼内レンズ移植
,
黄斑浮腫
,
光干渉断層撮影
,
眼底撮影
,
水晶体切除術
Keyword:
Fundus Oculi
,
Cataract
,
Diabetic Retinopathy
,
Fluorescein Angiography
,
Macular Edema
,
Postoperative Complications
,
Vision Disorders
,
Phacoemulsification
,
Lens Implantation, Intraocular
,
Tomography, Optical Coherence
pp.1495-1500
発行日 2016年11月5日
Published Date 2016/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2017082395
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白内障術後の前嚢収縮は、切開縁に沿って形成される輪状の前嚢下の線維性混濁であり、前嚢切開窓は中心へ向かって収縮する。強く収縮して前嚢切開窓が狭小化・閉鎖すると視機能障害をきたす。前嚢収縮が生じやすい術前因子として「網膜色素変性症」「落屑症候群」「強度近視」「眼外傷歴」「糖尿病性網膜症」などがある。今回、糖尿病網膜症以外の術前因子がなく、白内障手術・IOL挿入術後3ヵ月時で両眼の前嚢切開窓が閉鎖し視力低下をきたした症例を経験した。症例は79歳男性、右眼は前増殖型の糖尿病網膜症、左眼は増殖型であり、両眼に軽度の黄斑浮腫を認めたことから、これらが前嚢収縮を増強させた可能性が考えられた。
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