臨床報告
網膜血管腫の治療中に脳腫瘍症状を発症したvon Hippel-Lindau病の1例
津田 麻祐子
1
,
富田 茜
,
佐野 公彦
,
柳沼 重晴
,
井上 真
,
山口 竜一
,
平形 明人
1杏林大学 医学部眼科学教室
キーワード:
von Hippel-Lindau病
,
開頭術
,
血統
,
眼底
,
血管芽腫
,
血管腫
,
蛍光眼底撮影法
,
MRI
,
小脳腫瘍
,
光凝固
,
複視
,
網膜腫瘍
,
Fluorescein
,
光干渉断層撮影
,
眼底撮影
Keyword:
Fundus Oculi
,
Cerebellar Neoplasms
,
Craniotomy
,
Diplopia
,
Fluorescein Angiography
,
Hemangioma
,
von Hippel-Lindau Disease
,
Light Coagulation
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pedigree
,
Hemangioblastoma
,
Fluorescein
,
Retinal Neoplasms
,
Tomography, Optical Coherence
pp.1085-1092
発行日 2016年10月5日
Published Date 2016/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2017032746
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19歳男。右眼網膜血管腫に対し近医で網膜光凝固術を施行されたが腫瘍は増大し、黄斑浮腫も出現したため当科に紹介された。家族歴として父と父方の祖父がvon Hippel-Lindau病と診断されていた。矯正視力は両眼とも1.2で、右眼の黄斑部耳側に滲出性網膜剥離を伴う1乳頭径大の血管腫を認めた。頭部MRIで頭蓋内病変は認めず、治療は経瞳孔温熱療法(TTT)を行った。結果、網膜剥離は消失し、血管腫も縮小した。TTT施行2年後、頭痛と水平複視が出現し、矯正視力は両眼とも1.2のままであったが、両眼にうっ血乳頭を認め、頭部MRIを施行したところ、右小脳半球に約3cm大の血管芽腫を認めた。開頭腫瘍摘出術を行い、複視などの症状は消失した。開頭手術後2年の現在まで脳腫瘍や血管腫の再発は認めていない。
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