原著
ヒト免疫不全ウイルス感染症に合併した梅毒性脈絡網膜炎の1例
伊藤 亜里沙
1
,
橋本 英明
,
鈴木 康太
,
岸 章治
1群馬大学 医学部眼科学教室
キーワード:
Amoxicillin
,
HIV Infection
,
眼感染症-細菌性
,
網膜色素上皮
,
眼底
,
蛍光眼底撮影法
,
経口投与
,
梅毒
,
脈絡網膜炎
,
Fluorescein
,
光干渉断層撮影
,
眼底撮影
Keyword:
Fundus Oculi
,
Administration, Oral
,
Amoxicillin
,
Chorioretinitis
,
Fluorescein Angiography
,
Syphilis
,
HIV Infections
,
Eye Infections, Bacterial
,
Fluorescein
,
Tomography, Optical Coherence
,
Retinal Pigment Epithelium
pp.769-775
発行日 2016年7月5日
Published Date 2016/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016341316
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43歳男。同性愛者で、8年前にHIV陽性と診断された。今回、左眼中央部が暗く見えることを主訴に近医受診し、左眼の黄斑部混濁、浮腫、網膜内出血を指摘され、当科に紹介された。左眼の視力は0.1で、眼底後極部に円板状黄白色病変と点状網膜出血を認めた。swept source OCT(SS-OCT)では円板状黄白色病変に一致して視細胞内節外節接合部(IS/OS)の瀰漫性破壊と外境界膜の不明瞭化を認め、また網膜色素上皮(RPE)上に瘤状沈着物を認めた。右眼には異常を認めなかった。無治療で経過観察したところ、7日後に左眼視力は0.3に改善し、このときのSS-OCT所見は、IS/OSの瀰漫性破壊と外境界膜の不明瞭化に変化はなかったが、RPE上の瘤状沈着物が縮小していた。同日の血液検査によって活動性の梅毒であることが判明し、急性梅毒性脈絡網膜炎と診断した。アモキシシリンの経口投与を行い、初診から14日後に左眼視力は1.2に回復し、SS-OCTでもIS/OSは修復されて外境界膜の不明瞭化をごく一部残すのみとなり、RPE上の瘤状沈着物は消失した。
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