特集 整形外科の外傷治療-現状と課題-
Ⅱ. 外傷治療システム(外傷センター,レジストリー)の現状と課題
レジストリー(DOTJ)
石井 桂輔
1
1帝京大学医学部附属病院外傷センター
pp.52-60
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000269
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DOTJ(Database of Orthopaedic Trauma by Japanese for Fracture Repair,日本骨折治療学会運動器外傷データベース)に登録された四肢長管骨開放骨折症例3,300例(3,444骨折)から,整形外傷治療の現状を記した。登録症例の平均年齢は51.9歳で,男性と女性の比率は2:1であった。骨折部位は脛骨骨幹部が最多で,受傷機転は交通事故が最多であった。Gustilo-Anderson分類ⅢBおよびⅢCの症例で,初回洗浄/デブリドマンが受傷後6時間以内と迅速に完了した割合は56%にとどまった。一方,初回抗菌薬投与のタイミングは,全体の81.6%で受傷後3時間以内と早期に開始されていた。今後,アウトカムデータを収集・解析し,機能予後について論じることがDOTJに求められる課題であろう。
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