特集 重症下肢虚血治療Strategy
識る わが国のCLI患者の特徴は?諸外国とは何が違うのか?
宇都宮 誠
1
1労働者健康福祉機構東京労災病院 循環器科
キーワード:
下肢
,
虚血
,
膝窩動脈
,
臨床試験
,
血管内治療
,
血管石灰化
,
動脈硬化プラーク
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Ischemia
,
Popliteal Artery
,
Lower Extremity
,
Endovascular Procedures
,
Plaque, Atherosclerotic
,
Vascular Calcification
pp.1108-1111
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018044
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BASIL試験が発表されて以降、わが国でも重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)患者に対する血行再建として血管内治療が選択されることが増えてきている。特に、歴史の浅い血管内治療に関しては、いまだにわからないことが多く、デバイスも発展途上であるため毎年新しい研究成果が発表され続けている。それらの多くは欧米から発表されるものであり、当然、欧米の患者のデータを用いている。しかし、それら欧米のデータをそのまま日本人のデータとして当てはめて考えてもよいのかは、不明瞭な点も多い。また、最新の技術やテクノロジーの進歩を勉強するために、VIVAやLINCといったライブデモンストレーションに参加すると、欧米人の膝下動脈の性状は日本人のものとまったく違うことに驚くことが多い。体格がそもそも違うのは当然のこととして、治療対象となっている血管径が太く、また石灰化も少ないと思うことが多い。本稿では諸外国からの研究と日本の研究で患者背景や病変背景がどのように違うかに関してまとめ、そこから見えてくる日本人のCLI患者の特徴について言及したい。
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