特集 重症下肢虚血治療Strategy
診る CLI診断のためにどのような検査が必要か?治療の前に評価するべき項目は?
河原田 修身
1
1国立循環器病研究センター病院 心臓血管内科
キーワード:
下肢
,
感染
,
虚血
,
鑑別診断
,
動脈硬化症
,
微小循環
,
共存疾患
,
アルゴリズム
Keyword:
Algorithms
,
Arteriosclerosis
,
Diagnosis, Differential
,
Ischemia
,
Infections
,
Microcirculation
,
Comorbidity
,
Lower Extremity
pp.1092-1097
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018041
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重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)の多くは動脈硬化に起因し、糖尿病や透析患者の増加とともに、循環器領域において重要な疾患概念となっている。CLIは血管性跛行と異なり、神経障害のためにしばしば先行する跛行症状を伴わないこともある。CLIの病態は単なる虚血だけでなく、潰瘍・壊死の組織欠損や細菌感染などを伴うために多様性に富む。またCLI患者は全身動脈硬化の末期状態を反映して冠動脈、頸動脈、腎動脈など主要な動脈硬化性疾患も合併していることが多く、心脳血管イベントのハイリスクと考えられており予後不良である。日常診療では、CLI患者の診療の機会の増加とともに非動脈硬化性疾患に関連したCLIに遭遇することもあり、鑑別診断も求められる。本稿では、CLIにおける病態把握、鑑別診断、全身合併症の観点から必要なアプローチについて検査を中心に概説する。
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