特集 重症下肢虚血治療Strategy
診る 透析患者のCLI早期発見のために何を行うべきか?
大竹 剛靖
1
,
小林 修三
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
下肢
,
虚血
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
早期診断
Keyword:
Ischemia
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Early Diagnosis
,
Lower Extremity
pp.1098-1102
発行日 2017年11月9日
Published Date 2017/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018018042
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腎不全患者は、高血圧、糖尿病、高齢、脂質異常など古典的な動脈硬化リスクファクターとともに、尿毒症環境やカルシウム・リン代謝異常、高ホモシステイン血症など腎不全特有の動脈硬化リスクファクターを複数有しながら透析導入となる。このため、透析導入前ならびに透析導入時点で既に心・脳血管障害や末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)の合併頻度は非常に高い。しかし、透析導入後には、それまで以上にさらに加速度的に動脈硬化が進行することが知られている。PADが悪化し重症下肢虚血(critical limb ischemia;CLI)に至ると、透析患者のQOLや生命予後に直接かかわる大きな問題となる。さまざまな足病に対するアプローチがなされてきているが、透析患者の四肢切断率はいまだに年々増加を続けており、透析患者におけるPADの発症・進展をいかに抑制するか、その対策が喫緊の課題となっている。PADの重症化を抑制するためには、PAD早期発見と早期治療介入が重要である。本稿では、透析患者のPAD(CLI)の特徴と、早期発見のために何を行うべきかについてまとめてみたい。
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