特集 CCUの現状を識る:循環器医がするべきこと
識る CCUの立場からみた特定集中治療制度
上田 恭敬
1
1国立病院機構大阪医療センター 循環器内科
キーワード:
CCU
,
心室細動
,
心電図
,
電気的除細動
,
クリティカルケア
,
重症度指標
,
看護職の役割
Keyword:
Coronary Care Units
,
Critical Care
,
Electric Countershock
,
Electrocardiography
,
Severity of Illness Index
,
Ventricular Fibrillation
,
Nurse's Role
pp.1033-1036
発行日 2017年10月9日
Published Date 2017/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017402197
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本来のCCUの役割は,第一に,心電図モニターなどの厳重な監視によって異常の兆候が現れた際に遅滞なく対処すること,第二に,時間ごとに水分バランス・電解質・血行動態などの全身管理を行って,心不全の悪化や不整脈の出現を未然に防ぐことである。すなわち,致死的な結果となりうるイベントの発生を厳重に監視し,予兆をとらえて早期に対処することで,致死的な結果を未然に回避することにある。これらのために必要な「心電図モニター」,「輸液ポンプ」,「シリンジポンプ」の3項目が特定集中治療室管理料算定に必要な「重症度,医療・看護必要度(いわゆる「必要度」)の基準」(表1)に含まれるが,これら項目の点数が平成28年度の診療報酬改定によって相対的に切り下げられ,これら以外の例えば動脈ラインや中心静脈ライン,人工呼吸器など,いわゆる「管類」が何かついていないと「必要度」を満たさなくなってしまった。A項目が4点以上,B項目が3点以上必要であり,この基準を満たす症例が収容症例数全体の80%以上(特定集中治療室管理料1)あるいは70%以上(特定集中治療室管理料3)である必要がある。これはCCUの存続にかかわる大問題であり,循環器疾患の集中治療を行うためには,現在の特定集中治療制度の考え方を根本的に変える必要がある。以下に,この問題について解説する。
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