特集 心筋性状・機能診断を考える-病理と画像が意味するもの-
識る 病態を理解するための知識 心筋のミトコンドリア機能を評価する
武田 充人
1
,
阿部 二郎
1北海道大学 大学院小児発達医学講座
キーワード:
電子顕微鏡検査法
,
酸化的リン酸化
,
酸素消費
,
疾患モデル(動物)
,
心臓ミトコンドリア
,
電子伝達系複合体タンパク質
,
ミトコンドリア膜電位
,
電位感受性色素イメージング
,
ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動
,
Coomassie Brilliant Blue
,
ミトコンドリア心筋症
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Mitochondria, Heart
,
Oxidative Phosphorylation
,
Microscopy, Electron
,
Oxygen Consumption
,
Electron Transport Chain Complex Proteins
,
Membrane Potential, Mitochondrial
,
Voltage-Sensitive Dye Imaging
,
Native Polyacrylamide Gel Electrophoresis
,
Coomassie Brilliant Blue
pp.955-960
発行日 2017年9月9日
Published Date 2017/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017373895
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心筋は1日に30kgのアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate;ATP)を消費する臓器であるが,そのほとんどは心筋細胞内のミトコンドリアによって産生されている。ミトコンドリア機能の最も重要な要素はエネルギー(ATP)産生能であり,酸化的リン酸化(OXPHOS)とよばれるプロセスが重要な役割を果たしている。OXPHOS障害の診断はミトコンドリア病の診断プロセスにおいて発展してきた歴史があり,ミトコンドリア心筋症の診断にも臨床応用されている。ミトコンドリアはほかにも活性化酸素処理,細胞内カルシウム濃度制御やアポトーシスとも深い関連があり,心不全のメカニズムにおける心筋のミトコンドリア機能は今後重要なテーマである。そこで,今回は臨床・基礎研究における心筋ミトコンドリア機能に焦点をあてたい。
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