特集 成人先天性心疾患 正確な患者評価から適切な治療へ
診る 成人先天性心疾患の診断に必要な心エコーの知識
安河内 聰
1
1長野県立こども病院 循環器センター
キーワード:
右心室機能
,
心エコー図
,
心臓疾患-先天性
Keyword:
Echocardiography
,
Heart Defects, Congenital
,
Ventricular Function, Right
pp.468-473
発行日 2017年5月9日
Published Date 2017/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017220946
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心臓外科手術や周術期管理の進歩により,成人期に到達する多くの先天性心疾患手術後の患者数が増加している。現在ではその数は40万人を超えるとされており毎年約9,000人以上の患者が成人期を迎えている。現在成人期にみられる先天性心疾患(congenital heart disease;CHD)では,一般にいくつもの異常を伴う複雑なCHDについてはすでに手術を行われている症例が多く,未手術の症例は心房中隔欠損や修正大血管転換などの比較的単純なCHDの症例が多い。したがって,成人期のCHDの心エコー診断においては,もともとのCHDの基本的な解剖学的異常と血行動態の特徴の理解も必要であるが,治療として行われた外科手術やカテーテル治療の方法とその遺残症(手術時に残った異常),続発症(手術後に新たに起こった異常)の知識が必要となる。このためには,まず小児循環器科または小児心臓血管外科からすでに行われた手術に関する情報(手術記録や診療録)を得ることが重要である。
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