特集 人工股関節全置換術 セメント固定vs.セメントレス固定
なぜ私はセメントカップを使うか?その根拠(primary)
藤田 裕
1
1京都桂病院 整形外科人工関節研究センター
キーワード:
Durapatite
,
寛骨臼
,
骨移植
,
骨セメント
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
股関節置換術
,
システマティックレビュー
,
寛骨臼形成不全
Keyword:
Acetabulum
,
Systematic Reviews as Topic
,
Bone Cements
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteoarthritis, Hip
,
Bone Transplantation
,
Durapatite
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.161-168
発行日 2019年2月19日
Published Date 2019/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2019158390
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
これまでの50年に及ぶTHAの成功と失敗の歴史をよく学び、新機種を導入する際には従来のgolden standardと十分な比較研究を行い、少なくとも同等の成績であることが証明されてから使用すべきである。また、わが国の患者は骨格が小さく寛骨臼形成不全に続発した二次性の変形性股関節症が大部分を占める。外国製品を安易に導入するのではなく、わが国の患者に即した術式を選択すべきである。大腿骨側においてはpolished taper stemを正しいテクニックで固定すれば、ほとんどの症例で安全な周術期と良好な長期成績が保証される。一方、股臼側においては長期経過後にセメントカップの生存率が下降することが課題となっている。筆者は大西らが30年前に開発したinterface bioactive bone cement technique(IBBC法)を使用してきた。また、股臼側骨欠損には積極的に塊状骨移植を併用してきた。10年以上経過した連続した200例(フォローアップ率97%)において再手術は感染の3例のみで、無腐性の弛みを認めなかった。本法はセメントの良好な初期固定性とハイドロキシアパタイト顆粒によるbioactivityを付加した方法で、良好な超長期成績が期待できる。
Copyright© 2019 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.