特集 骨折治療の最前線
足関節・足部の骨折に対する骨折治療
宮本 俊之
1
1長崎大学病院 外傷センター
キーワード:
距骨
,
脛骨骨折
,
骨折
,
内固定法
,
靱帯損傷
,
足関節
,
足部損傷
,
足関節骨折
,
脛腓靱帯
Keyword:
Ankle Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Talus
,
Tibial Fractures
,
Foot Injuries
,
Fractures, Bone
,
Ankle Fractures
pp.406-413
発行日 2017年4月19日
Published Date 2017/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017203075
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
足関節・足部の骨折はしばしば遭遇する外傷で, 近年最も議論がなされている骨折といっても過言 ではない。しかしさまざまな治療法があるにもか かわらず決め手となる根拠に欠き,gold standard な治療方針は確立されていない。変形性足関節症 (osteoarthritis;足OA)は,変形性膝関節症(膝 OA)や変形性股関節症(股OA)と比べると日常臨 床で遭遇することは少ないが,足OAの原因の多 くは外傷性と考えられ,股関節や膝関節と大きく 異なる。足関節果部骨折やピロン骨折後,20年以 上経過しないと末期のOAにならないとの報告1)も あり,数年の経過観察だけでは本当の経過はわか らない可能性が高い。さらに,有効な治療インプ ラントがなかったことも,治療法が確立しなかっ た原因の1つと考える。 本稿では足関節骨折に伴う,①遠位脛腓靱帯損 傷,②ピロン骨折,③距骨頚部骨折に対する内固 定について述べ,最近さまざまな治療インプラン トが登場しているので,それぞれの部位の症例と ともに解説したい。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.