足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 外傷・スポーツ障害 足関節骨折 脛骨天蓋部骨折(Rueedi分類type II・III)に対する手術上のポイント 中・長期経過例に基づいて
山田 隆宏
1
,
宇佐見 則夫
,
池澤 裕子
,
高鳥 尚子
,
芦田 利男
1さがみ野中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
変形性関節症
,
脛骨
,
脛骨骨折
,
骨切り術
,
内固定法
,
骨板
,
再手術
,
足関節
,
軟骨
,
予後
,
足首損傷
,
外傷重症度指標
,
関節痛
,
治療成績
,
足関節骨折
,
骨軟骨移植
Keyword:
Ankle Joint
,
Cartilage
,
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Osteotomy
,
Osteoarthritis
,
Reoperation
,
Radiography
,
Prognosis
,
Tibia
,
Tibial Fractures
,
Trauma Severity Indices
,
Ankle Injuries
,
Treatment Outcome
,
Arthralgia
,
Ankle Fractures
pp.169-173
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297881
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Rueedi分類type II・IIIの脛骨天蓋部骨折に対する初回手術後、整復不良部位の残存、またはOA変化を来した16例(全例男性、初診時平均年齢41歳)ついて検討した。経過観察期間3年以上の結果、1)再手術を必要としなかった経過良好例は6例であった。一方、再手術を行い経過良好になった例は9例、再手術後も経過不良であった例は1例でみられた。2)再手術を行い経過良好になった9例では、OA変化が7例に生じていた。整復不良部位はX線正面像で中央部、X線側面像で前方部であった。3)整復不良部位として側面像で前方部は3例と最も多かった。内訳は距骨が前方偏位するほどの整復不良例が1例、ほか2例は脛骨天蓋部の骨軟骨損傷と脛腓骨の整復不良例であった。このことから整復不良部位が同じでも、再手術となった原因は異なっていた。4)関節適合性に関しては、側面での適合不良例3例は全例で距骨が前上方に偏位していた。5)今回の検討では、整復不良部位と疼痛遺残との関連はみられなかった。以上、変形性関節症変化や天蓋部の整復不良を認めても、距骨関節面の安定性が良好であれば長期にわたる良好な予後が期待できると考えられた。
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