特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
エリートアスリートとFAI(high impact and hyper mobile)
熊谷 達仁
1
,
内田 宗志
1産業医科大学若松病院 整形外科
キーワード:
関節鏡法
,
腸骨
,
運動選手
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Arthroscopy
,
Ilium
,
Athletes
,
Femoracetabular Impingement
pp.148-154
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116352
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はじめに
Ganzら1)によって,大腿骨寛骨臼インピンジメ ント(femoroacetabular impingement;FAI)は, 股関節痛,股関節唇損傷,軟骨損傷,早期の変形 性股関節症の原因の1つととして明らかとなって きた。FAIでは,大腿骨骨頭・頚部と寛骨臼蓋縁 との間の,繰り返される衝突により関節唇や関節 軟骨の損傷が起こり, さらに関節症性変化 (osteoarthritis;OA)を惹起されることが知られ ている1),2)。特にスポーツ選手を含むアスリートに おいては,痛みや可動域制限のためにパフォーマ ンスの低下をきたすため,早急に確実な治療が望 まれる。また,OAに進行してしまっている症例で の治療成績は不良であることが報告されている3),4)。 OA進行予防のためにも,早期の診断と治療介入 が望まれる5)。 本稿では,スポーツ選手,特にエリートアスリー トにおけるFAIの特徴や治療について,通常の FAIより注意を要する点や特徴などについて詳述 する。
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