特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
FAIの治療 FAIに対する股関節鏡視下手術
山崎 琢磨
1
,
安達 伸生
1広島大学 大学院医歯薬保健学研究院人工関節・生体材料学
キーワード:
関節鏡法
,
股関節
,
デブリードマン
,
大腿骨頸部
,
縫合法
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Arthroscopy
,
Debridement
,
Femur Neck
,
Hip Joint
,
Suture Techniques
,
Femoracetabular Impingement
pp.171-175
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116356
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はじめに
大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)に対する股関節鏡視下手術を有 効な治療法へと導く最も重要な要素は,手術適応の 選択および手術手技の習熟にある。FAIの診断には 特徴的な画像所見の有無のみに頼らず,臨床症状や 身体所見を含めた総合的判断が必要であり,薬物療 法やリハビリテーションなどの保存療法の効果を十 分に評価したうえで,鏡視下手術による関節内治療 が有効となりうるかどうかを慎重に判断する。当科 では股関節腔内にリドカイン[キシロカインⓇ(アス トラゼネカ社)]を注入して疼痛の軽減効果をみるキ シロカインテストを超音波検査下に行っているが, ステロイド少量を併用した股関節内注射,あるいは 股関節周囲組織への注射を保存療法の選択肢として 用い,疼痛軽減効果を認めても短期間で再び症状が 増悪する例や,保存療法が奏効せず持続的な股関節 症状を有する症例を手術適応としている1)。
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