特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
FAIと鑑別すべき鼡径部痛 Groin pain in athletes
山藤 崇
1
1東京医科大学 整形外科分野
キーワード:
MRI
,
鑑別診断
,
鼠径部
,
疼痛測定
,
腹痛
,
運動選手
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Groin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pain Measurement
,
Abdominal Pain
,
Athletes
,
Femoracetabular Impingement
pp.135-141
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116350
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はじめに
大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)は,股関節周囲の骨形態異常に, スポーツなどによる繰り返しの股関節運動が加わり 発症する疾患概念であり1),そのインピンジメント の結果として発生する寛骨臼関節唇損傷や軟骨損傷 が疼痛を誘発すると考えられている。しかし,イン ピンジメントによる疼痛は股関節内の疼痛だけにと どまらず,股関節近傍関節外組織や大腿直筋などの 筋組織,恥骨結合や仙腸関節にまで影響を与えてい ることが示唆されている。 本稿では,FAIと鑑別すべき鼡径部痛関連疾患 について述べるととともに,新しい概念である 「Hip related groin pain」とよばれる股関節に関連 した鼡径部痛について解説し,FAIとアスリート の鼡径部痛との関連について検討を加えて報告す る。
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