特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
小児における二次性FAIについて
遠藤 裕介
1
,
三谷 茂
1岡山大学 整形外科
キーワード:
股関節脱臼-先天性
,
Perthes病
,
大腿骨頭すべり症
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Hip Dislocation, Congenital
,
Femoracetabular Impingement
,
Slipped Capital Femoral Epiphyses
,
Legg-Calve-Perthes Disease
pp.142-147
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116351
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はじめに
小児股関節において大腿骨寛骨臼インピンジメ ント(femoroacetabular impingement;FAI)の概 念が発表される以前より,小児期から大腿骨骨端 部から骨幹端部に骨形態異常を生じる大腿骨頭す べり症やぺルテス病では,関節症の原因としてイ ンピンジメントが認識されていた。しかし,小児 では成人とは異なり,リモデリング能を有し,画 像上の骨形態異常が大きくても必ずしも臨床症状 に結びつかないことも多い。最近では,成人股関 節で特に既往歴のないものをいわゆる狭義の特発 性FA(I idiopathic FAI)として,小児股関節疾患や 外傷の既往歴のあるものは二次性FA(I secondary FAI)として区別されるようになった1)。 本稿では,小児股関節における二次性FAIを呈 する代表的な疾患として,大腿骨頭すべり症,ペ ルテス病,発育性股関節形成不全について最近の 知見も含めて解説する。
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