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私の整形外科診療のコツ(第1回) 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI) 股関節鏡視下手術におけるコツ
大木 弘治
1
,
内田 宗志
1産業医科大学若松病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
関節鏡法
,
牽引(整形外科)
,
大腿骨
,
腸骨
,
関節包
,
手術時体位
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Acetabulum
,
Arthroscopy
,
Femur
,
Ilium
,
Radiography
,
Traction
,
Joint Capsule
,
Femoracetabular Impingement
pp.532-535
発行日 2019年5月19日
Published Date 2019/5/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2019218311
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はじめに
大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)は, 2003年にGanzらによって新たに提唱された概念であり,大腿骨や寛骨臼の形態 異常により,インピンジ(衝突)することで股関節痛が誘発され,さらには股関節 可動域制限を生じる。股関節唇損傷や変形性股関節症の一因として,広く認識さ れるようになった。 FAIは形態により,①大腿骨頚部の骨性隆起によるcam type,②寛骨臼縁の過被 覆によるpincer type,③その両者が併存するmixed typeの3タイプに分類される。 最初の治療は,投薬,リハビリテーションなどの保存療法が中心であるが,そ れでも改善しない場合,あるいはエリートスポーツ選手などでは手術療法が選択 肢の1つとなる。手術は,寛骨臼と大腿骨の膨隆部分を切除してインピンジメント を解消し,またインピンジメントにより損傷した関節唇を修復もしくは再建する が,最近ではより低侵襲な治療として,股関節鏡視下での手術が広く行われるよ うになった。 本稿では,筆者らがFAIの手術において行っているコツについて述べる。
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