特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
FAIと変形性股関節症との関連
藤井 政徳
1
1労働者健康安全機構九州労災病院 整形外科
キーワード:
断面研究
,
変形性股関節症
,
前向き研究
,
大腿寛骨臼インピンジメント
Keyword:
Cross-Sectional Studies
,
Prospective Studies
,
Osteoarthritis, Hip
,
Femoracetabular Impingement
pp.131-134
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116349
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はじめに
変形性股関節症(hip osteoarthritis;股OA)は,複数のリスク因子の組み合わせによって生じる多因子性疾患であり,一次性股OAにおいては特に,1 加齢,2 肥満,3 遺伝的要因,4 重作業,5 スポーツ歴,6 外傷歴などが重要な因子である1)。わが国の股OAは,原疾患を有する二次性股OAがその大部分を占めており,その80%以上は寛骨臼形成不全に起因する二次性股OAと報告されている2)。一方,欧米や他のアジア諸国においては明らかな股関節形態異常のない一次性股OAが多数を占めると考えられてきた。しかしながら,近年,大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabularimpingement;FAI)という病態が提唱されるようになり,これまで一次性と考えられてきた股OAのなかに,FAIに起因する二次性股OAが少なからず存在することが示唆されている3)。
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