特集 もう迷わない! 循環器薬物処方〜若手医師へ贈る熟練医の処方の考え方
III 実臨床で迷うことがある病態での薬物治療の実際
5. 冠動脈疾患合併の心房細動に対する抗血栓療法
村田 伸弘
1
,
奥村 恭男
1
1日本大学医学部内科学系循環器内科
キーワード:
AF合併PCI
,
3剤併用療法
,
DOAC
,
WOEST試験
,
AFIRE試験
Keyword:
AF合併PCI
,
3剤併用療法
,
DOAC
,
WOEST試験
,
AFIRE試験
pp.142-145
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001406
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心房細動(atrial fibrillation:AF)は高齢化の著しいわが国において人口の約1%である100万人に迫る勢いで患者数が増加し,それに伴い経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を施行された患者における心房細動合併率は約10%程度と上昇傾向にある。古くから心房細動に対しては抗凝固療法,冠動脈疾患に対しては抗血小板療法が選択されてきたが,抗凝固療法と抗血小板療法の併用は出血リスクが高く,治療メリットを上回る有害事象の発生率が報告されていた。近年,直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)の登場に伴い,この領域における複数のRCTが発表され,抗血栓療法の併用期間や減量時期,薬剤選択に関するエビデンスが集積され,わが国でもガイドラインが改訂されている。
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