連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第19回
房室刺激伝導系構造の基本
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.1129-1136
発行日 2022年11月9日
Published Date 2022/11/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001065
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
・心臓刺激伝導系は興奮生成・伝導を担う特殊心筋であり,原則として固有心筋と隔絶された部位に位置している。固有心筋群と特別な経路でつながれ,興奮は刺激伝導系を介して適切に周囲へ伝わり心臓全体を制御している。
・房室結節(AVN)は,房室中隔(AVS)領域の中心線維体(CFB)上にある平べったく広がった線維性成分に富む小型結節細胞群であり,脂肪組織(PS)に取り囲まれた位置に存在している。同部位は右房(RA)にも左房(LA)にも属さないそれらの間の領域(心筋外)と考えられるが,AVNとRA筋,LA筋との連絡は存在する。
・機能的にAVNは減衰伝導特性を有する伝導速度0.05m/秒の組織である。
・AVN細胞群には,特定の方向から特定の電気生理学的特性を有する心房筋(伝導路)が接続しているものと考えられている。
・房室結節(AVN)は右線維三角(RFT)を貫通する伝導速度4m/秒の貫通部His束(pHB)に連続する。
Copyright © 2022, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.