連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-
第18回
心房内刺激伝導系構造の基本
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.1022-1028
発行日 2022年10月9日
Published Date 2022/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001042
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●刺激伝導系は興奮生成・伝導を担う特殊心筋であり,原則として構造的に固有心筋と隔絶されている。機能的には固有心筋群へ特別な経路で情報(興奮)を送り,それを制御している。
●洞房結節(SAN)は心外膜側で分界溝(TG)と右心耳(RAA)の稜線の交点に位置する小型の結節細胞群である。
●SANは通常より上方の大静脈洞(SVc)側に位置している場合がある。
●SANと房室結節(AVN)をつなぐ伝導路として3本の結節間伝導路(ICNT)が提唱されているが,その構造,特性などは確立していない。
●Bachmann束(Bachmann’s bundle:BB)などの右房(RA)・左房(LA)間をつなぐ伝導路は,構造的に確認が可能なものが多いが,その詳細についてはいまだ不明な点も多い。
●RA内には,ときに周囲の心筋から独立し心外膜直下を下行する筋肉束が観察される(学会発表済み,ジャーナル未投稿)。
Copyright © 2022, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.