特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
悪性腫瘍
-嗅神経芽細胞腫
久野 博文
1
1国立がん研究センター東病院 放射線診断科
キーワード:
嗅神経芽細胞腫(olfactory neuroblastoma),Kadish分類(Kadish),画像診断(imaging)
Keyword:
嗅神経芽細胞腫(olfactory neuroblastoma),Kadish分類(Kadish),画像診断(imaging)
pp.296-298
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001201
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・嗅神経芽細胞腫は,嗅裂を中心とした鼻腔上部の嗅粘膜上皮から発生する神経堤由来の腫瘍である。
・鼻副鼻腔の悪性腫瘍の3%程度を占める。
・幅広い年齢層に発生するが,10〜20歳代と50〜60歳代に発症のピークがあると報告されている。
・通常の鼻腔癌とは生物学的特性が異なることから,Kadish分類(Stage A〜C)にStage D(転移病変あり)を追加した改訂版が用いられる。
・早期から篩骨篩板を介した頭蓋内進展をきたしやすく,約半数がKadish分類Stage Cの進行例であり,硬膜浸潤を認めた場合は予後不良である。頸部リンパ節転移は重要な予後規定因子であり,その頻度は20〜30%と報告されている。
・治療は手術と術後放射線治療が基本である。手術不能例では,陽子線を含めたCRTが選択される。
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