特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
悪性腫瘍
-上顎洞扁平上皮癌
久野 博文
1
1国立がん研究センター東病院 放射線診断科
キーワード:
上顎洞癌(maxillary sinus cancer)
,
鼻副鼻腔扁平上皮癌(sinonasal squamous cell carcinomas)
,
画像診断(imaging)
Keyword:
上顎洞癌(maxillary sinus cancer)
,
鼻副鼻腔扁平上皮癌(sinonasal squamous cell carcinomas)
,
画像診断(imaging)
pp.292-295
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001200
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・上顎洞癌はわが国の全頭頸部癌の3.6%程度(年間約440人)で,そのうち扁平上皮癌が多数を占める(約75%以上)。
・上顎洞扁平上皮癌の組織亜型は,角化型(keratinizing squamous cell carcinoma)が多く,喫煙や飲酒といった従来から指摘されている危険因子が原因とされる。
・上顎洞癌は初期の段階では自覚症状がほとんどないため早期発見が難しく,発見時にはすでに局所進行癌(T3以上)であることが多い。
・初診時にリンパ節転移を有する割合はほかの頭頸部癌に比べ少なく(25%程度),遠隔転移も比較的まれである(4%程度)。
・手術を主体とした治療が標準治療である。症例の局在,局所病期,組織亜分類,腫瘍進展範囲や患者背景に応じ,手術療法だけでなく,超選択的動注化学療法併用放射線治療(RADPLAT),化学放射線療法(CRT),放射線療法が選択される。
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