特集2 呼吸器疾患の別の顔−「典型例とちょっと違う」に気付く−
間質性肺疾患の別の顔
岩澤 多恵
1
,
武村 民子
2
,
小倉 高志
3
1神奈川県立循環器呼吸器病センター 放射線科
2神奈川県立循環器呼吸器病センター 病理診断科
3神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科
キーワード:
びまん性肺疾患(diffuse lung disease)
,
間質性肺炎(interstitial pneumonia)
,
慢性線維化性間質性肺疾患(chronic fibrosing interstitial lung diseases with progressive phenotype)
Keyword:
びまん性肺疾患(diffuse lung disease)
,
間質性肺炎(interstitial pneumonia)
,
慢性線維化性間質性肺疾患(chronic fibrosing interstitial lung diseases with progressive phenotype)
pp.271-277
発行日 2021年2月26日
Published Date 2021/2/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000562
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進行性の線維化は過敏性肺炎や膠原病などさまざまな疾患で起こり,1回線維化のスイッチが入ってしまうと,たとえその原因が除去されても線維化が進行することがある(これを“self–perpetuating fibrosis”とよぶ)。そうした症例のなかには特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)との区別が困難な例も多く,すべてまとめて進行性フェノタイプを示す慢性線維化性間質性肺疾患(chronic fibrosing interstitial lung diseases with progressive phenotype)という名称も提案されている。言い換えると,線維化を伴うびまん性肺疾患では,教科書でみるような典型像はまれであり,臨床,画像,病理のmulti–disciplinary diagnosisが基本で,経過も含めて総合的に診断することが重要である。
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