特集2 呼吸器疾患の別の顔−「典型例とちょっと違う」に気付く−
肺感染症の別の顔
岡田 文人
1
,
佐藤 晴佳
1
,
馬場 博
1
,
板谷 貴好
1
,
柏木 淳之
1
,
浅山 良樹
2
1大分県立病院 放射線科
2大分大学医学部 放射線医学講座
キーワード:
市中肺炎(community–acquired pneumonia)
,
混合感染(mixed infection)
,
家族性肺炎(familial pneumonia)
Keyword:
市中肺炎(community–acquired pneumonia)
,
混合感染(mixed infection)
,
家族性肺炎(familial pneumonia)
pp.267-270
発行日 2021年2月26日
Published Date 2021/2/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000561
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肺感染症の画像診断について,決して典型的な症例ばかりではなく,診断に苦慮する場合も少なくないが,典型例を正確に理解しておくことが重要である。2020年初めから新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID–19)肺炎のCT所見について多数の論文が報告されており,人工知能技術(AI)を用いてCOVID–19肺炎典型度を判定することもできるようになっている。その一方,従来どおり,ほかの起炎微生物による肺炎の頻度はインフルエンザウイルスによるものを除いて大差なく,COVID–19以外による肺炎のCT所見を再度認識しておく必要がある。本稿では,予後不良となる混合感染例,COVID–19肺炎と比較的類似したすりガラス影を主所見とする細菌感染症,家族歴が重要となる感染症の4症例を提示して解説を行う。少しでも,日常診療にお役立ていただければ幸いである。
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