連載 特集アドバンストコース
『臨床画像』VOL.35,11月号特集 これだけ知っておけば大丈夫! な認知症画像診断
松田 博史
1
1国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージセンター
pp.348-352
発行日 2020年3月26日
Published Date 2020/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000176
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11月号の特集「これだけ知っておけば大丈夫! な認知症画像診断」では,Alzheimer病(Alzheimer's disease;AD)に有効な疾患修飾薬は開発されていないと記述した。しかし,米国食品医薬品局との協議に基づいて,早期AD患者を対象に臨床試験を実施した疾患修飾薬が新薬承認を目指すことが2019年10月22日に発表された。承認された際には,アミロイドPETをはじめとする脳画像診断の超早期診断における必要性が飛躍的に増大すると期待される。本特集では,AD,Lewy小体型認知症(dementia with Lewy body;DLB),前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FTLD), 血管性認知症(vasculardementia;VaD),治癒可能な認知症に加え,タウPETの出現とともに注目されてきた高齢者タウオパチーについて,これらの疾患に特徴的な構造的・機能的画像所見とともに,注意すべき鑑別点が,それぞれの分野のエキスパートにより網羅されている。さらに,ADにおける特徴的な所見として有名な後部帯状回の糖代謝低下が,健常高齢者においても血糖値上昇に伴い軽度ながら出現することが明らかになったことも詳細に説明されている。
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