股関節近位部における共同腱および外閉鎖筋の解剖学的付着位置の画像所見

Imaging findings of the anatomical attachment of the conjoined tendon and external obturator at the proximal hip joint

は じ め に

　近年，人工股関節全置換術（THA）における前方系アプローチが広く用いられるようになってきた．当院では前側方アプローチ（anterolatera supine approach：ALS）を用いて，関節包や短外旋筋群を温存する手技に努めている^1）．術中の軟部組織温存を確実にするためには，術前計画で適切なステムエントリーポイントを決定し，術中に再現することが重要である．しかしながら，短外旋筋群の解剖について3D-CTによる評価を報告した論文は少ない．

　本稿では，片側変形性股関節症におけるCTデータから，短外旋筋群の特徴とその描出方法を検討した．さらに3D-CTや術前計画ソフトZed-Hip（Lexi社）における，短外旋筋群付着部の解剖学的メルクマールを明らかにすることを目的とした．