四次元CTが診断に有用であった尺骨変形癒合に伴う遠位橈尺関節掌側脱臼に対する尺骨回旋矯正骨切り術の1例

Using four-dimensional computed tomography for ulna rotation osteotomy in volar dislocation of the distal radial ulnar joint associated with ulnar malunion：report of a case

　遠位橈尺関節（distal radial ulnar joint：DRUJ）掌側脱臼はまれな病態であり，手術にいたる症例はさらにまれである．橈骨遠位端骨折後にDRUJ掌側不安定性を生じる症例は散見するものの^1），尺骨の変形癒合に合併して生じる報告は渉猟しえなかった．DRUJ不安定性は確立した画像評価法や定量的な評価法がないことから，日常診療では身体所見がもっとも重視されているのが現状である．

　二度の外傷後の尺骨変形に合併したDRUJ掌側脱臼を呈した症例を経験し，4D-CTを用いた画像評価が有用であったので報告する．